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IGES−JISEの森つくり・自然再生
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IGES−JISEの森つくり
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防災環境保全林の形成事例
防災環境保全林は、「ふるさとの森つくり」の方法に沿って行われる代表事例のひとつです。防災環境保全林をつくるためには、それぞれの地域の土地本来の「ふるさとの森」を知るための事前現地調査は欠かせません。現場では、十分な生態学的な現地植生調査を行い、その成果に基き、それぞれの場所に応じた植栽樹種群を決めていきます。
たとえば、横浜の場合には、海岸沿いはタブノキ、斜面はスダジイ、そして内陸部はシラカシ、アラカシ、ウラジロガシ、アカガシを主としたカシ類などが候補となり、冬も新鮮な緑で一年を通じて防災・環境保全機能を果たすシイ、タブ、カシ類が森の主役となります。地域により樹種の組み合わせは微妙に異なります。重要なことは、それぞれの土地の潜在自然植生の主役とそれを支える3役、5役の樹種群を取り違えないことです。
久里浜高校裏の防災環境保全林
上から順に、施工時、植栽時、2年目、3年目、10年目の様子
根群の充満したポット苗を混植・密植する
主木に選ばれた樹種は、深根性・直根性で、台風、地震などにも倒れませんが、背丈の大きくなった成木を移植するとなると、技術的にも難しく、コストもかさみます。したがって、「ふるさとの森つくり」では、それぞれの地域の土地本来の森の主役の樹種群を中心に、できるだけ多くの構成種の種子から、高さ30cmくらいの根群が充満したポット苗をつくり、自然の森のシステムに従って、できるだけ混植・密植します。一冬越せば、1年で1m、4年で3m、8年で6m、12年で10mと生長し、多様な自然環境に応じた多彩な機能を果たす多層群落の自然の森に限りなく近い防災環境保全林が形成されます。
森つくりの効果
ふるさとの森つくりは、世界的に深刻な問題になっている地球温暖化防止にも大きく貢献します。樹林は生長とともにCO2を吸収、C6H12O6などの炭水化物、リグニンに取り込み固定します。緑の表面積が芝生の30倍ある土地本来の立体的なふるさとの森は、これらの機能も草本植物や芝生の30倍以上あり、しかも持続的です。
2年目 岩盤を抱いた根群の生育状況。地下部2m
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